省電力なWindows Home Server2011で作るPT2サーバ の覚え書き(あらすじとハードウェア購入編)

我が家ではテレビの録画をTorneでしていたのですが、最近ちょっと問題が。
もともとテレビっ子でも何でもないので、朝の連ドラと、世界の車窓からとか、ちょっとだけ気になるアニメを毎日ぱらぱらさくさく見たいだけだったので、BDレコーダを買うでもなく、たまたま手元にあったPS3と、当時発売したてのTorneを使って夢のような録画生活で大勝利!なーんて思って、朝ドラや世界の車窓からをばかすか録画していたら、なんとTorneの仕様の「1800本以上撮れない」制限にかかってしまいました…。
なんという誤算。


そこで、時流に乗って、PT2サーバを作成することにしました。しかし、案外いろいろ手間がかかるので、覚え書きを作成することにしました。

サーバ構築の目的

昔は「自宅サーバなんてcgiを無制限に使えるようにWebサーバやらFTPサーバやら立てちゃう一部の酔狂な人の遊び場だよね」なーんて思ってたら、最近はさらにいろんなことができるようになったんですね。
そういうわけで私のサーバ構築の目的は、

    • 家のひかり電話iPhone経由で接続、03局番でかけて、家電話の着信もiPhoneで受けちゃうためのPPTPサーバを立てる
    • 録画サーバにして、ついでにエンコードもして動画を撮りためちゃう
    • 家からストリーミングで、撮りためた動画を見まくっちゃう
    • 家のPCで、最近エンタープライズ方面で流行りはじめてるVDI(バーチャルデスクトップ)を自宅サーバで運用して、どのマシンからも同じデスクトップ環境を実現してログも何も集中運用してむふふなオンライン人間になっちゃう


・・・なーんて、夢物語を考えています。

まずは楽しいハードウェアのお買い物

まず、録画マシンを作らなければなりません。
私の手元に幸いにしてPT2があったので、これをもとに常時起動のサーバを作ることにしました。
省電力でお安い鼻毛鯖なんて選択肢もあったんですが、鼻毛鯖はSandyBridgeではない…とのことなので、今なら2100Tで自作かな?ということに。

お買い物リストは、最近(2011/11現在)の低電力サーバの鉄板構成らしいもので構成することに。

    • CPU:Core i3 2100T (2.5GHz/2C4T/TDP35W) → 最終的には2120T(2.6GHz/2C4T/TDP35W)にしました。
    • M/B:Intel DB65ALB3 (低電力の鉄板マザーだけど、イマドキUSB3.0が付いていない…)
    • CASE:SST-TJ08B-E(SilverstoneのMicroATXケース。イイ感じ)
    • 電源:Huntkey 絢風300(低電力時に最大変換効率の威力を発揮すると言われている、80Plus Gold電源)
    • メモリ:8GB(4GB x2)(買いにいったら8GBx2なんてのもあったけど、電力を消費しそうだったので8GBで)
    • OS: Windows Home Server 2011(Windows7でもいいけど、2008R2ベースのOSを自前運用したいよね)
    • SSD:Crucial M4 CT128(低消費電力ならSSD化しないとね)


ということで、12/3、雨上がりの秋葉原に出撃。
既に7時前だったのもあって、相見積もりを各店舗回って取りまくって、一番安かったところにすることに。

DOSパラ パーツ館

詳しそうな方に声をかけたところ、別の方(色白長身眼鏡っ娘な人)が呼ばれて対応。2100Tが終売らしく、2120T(2.6G/2C4T/35W。2100Tに0.1Gクロックアップしたもの)または2100(2.5G/2C4T/65W。2100Tの省電力でないモデル)をお奨めしてきました。ただし、2120Tは新型なので、DB65ALB3との適合を調べても載って書いていなかったとのこと。見積もりお願いしてからずいぶん遅い…、と思っていたら、そういうことだったんですね。ありがとうございます。
→早速追試しましたが、DB65ALB3 BIOS Vresion ALB6510H.86A.0052.2011.0520.1652では、Core i3 2120Tをモデルナンバー込みで認識しました。ということで、問題なく適合します。

クレバリー インターネット館

レジにいた店員さんに声をかける。構成を見るや、「省電力サーバを作られるんですね?(にやり)」と言ってきました。さすが。残念ながら、DB65ALB3の取扱いがなく、取り寄せになる…とのことだったので、せっかくお値段出していただきましたが断念。

Tsukumo Ex. 6F

パーツ一式が決まっていたら、ここに直接行けばお値段はじき出してくれます。「他のお店の値段があったら合わせることもできますよ」なんて、どこかのヤマダ電機みたいなことを仰っていました。お値段がかなり高めだったので断念。


ArkやFreeTも回るつもりだったのですが、時間が押してしまったので断念、ドスパラで購入しました。しめて69,360円。鼻毛鯖だと16,000円+OS代(8,000円くらい)+BD-ROM代(9,000円くらい)だったりするので、もうなんだか全然コストパフォーマンスは悪いんですが、いいんだ!Sandy鯖作りたかったんだ!


さて、翌日朝から組み立て&インストール開始です。つづく。

[自作PC]省電力なWindows Home Server2011で作るPT2サーバ の覚え書き(Windows Home Server2011導入編)

…ということで、翌朝30分ほどでさくっとくみ上げて、Windows Home Server2011(WHS2011)をインストール開始! ただ、このOSはインストールにいろいろと制約があるようで、インストールには160GBないとダメとか。
そこで、いろいろ情報を収集しました。結果、様々な方法があることがわかりましたが、私はこの方法で成功しました:

  1. 6GB以上の、中身が全部消えても良いUSBメモリを用意する。
    • 私が使ったもの:そのへんに転がってたTranscend 8GB microSDHC Class6(これ、Class6のくせにかなり遅くて使い道に困ってた)+SDカード変換+USB SDカードリーダ
  2. Windows7(たぶんXPでも大丈夫?)のスタートメニュー>コンピュータ(右クリック)→管理(G)→記憶域-ディスクの管理、で、USBメモリリムーバブルディスクパーティションを右クリック→フォーマット(F)
    • このとき、NTFSでフォーマットした。(FAT32でもうまくいくのかな?やってないので不明)
  3. フォーマット完了後、Windows Home Server2011のディスク1(サーバーインストール)のディスクの中身を全て普通にWindowsファイルコピーでUSBメモリにコピーする。
  4. スタートメニュー>CMD(コマンドプロンプト)右クリックで[管理者として実行]。
  5. 仮にUSBメモリのドライブがUドライブだとすると、プロンプトで、"U:\boot\bootsect /nt60 U: /mbr" を実行。
    • 私が最初に試したときは、cannnot うんちゃらと実行失敗メッセージが出たが、コマンドプロンプトを管理者権限で実行してなかったせいだった。管理者権限で実行は大切。
  6. USBメモリのルートディレクトリに、[cfg.ini]を置いておく(もともとは存在しない)。中身は以下の通り。

[WinPE]
ConfigDisk=1
CheckReqs=0
WindowsPartitionSize=MAX

[InitialConfiguration]
AcceptEula=true
AcceptOEMEula=true
ServerName=chabosrv
PlainTextPassword=パスワード
PasswordHint=パスワードのヒント
Settings=All

    • これが、いわゆるオートインストールスクリプト。160GB制限を回避する方法として有名。
  1. DB65ALの起動メニュー(電源投入直後にF10キーで入れる)で、USBメモリからブートするよう指定する。
    • どれを指定するかは、USBメモリの種類や、フォーマットのやり方によっても変わるらしい…。
  2. うまくブートすれば、おなじみのWindowsインストール時のドライバ読み込み画面が出てくる。
  3. どんどんインストールされるのだが、リブート時にUSBメモリから再度ブートしてしまうとインストーラが継続しないので、BIOSメニューでは、USBメモリから優先ブートしないようにしておくこと。
  4. さらにインストールが進む。すると、「ネットワークドライバがないからインストールが継続できない」と言われてインストールが止まってしまう。
  5. ここで、[ネットワークドライブにインストール]を選ぶと、デバイスマネージャが出てくる。(このボタン、どう考えても誤訳だよね…)(cf: http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/operation/7workgroup03/7workgroup03_01.html の「インストール・エラーの例」の項)
  6. このネットワークドライバは、なんとDB65ALのマザーボード附属ドライバCDではインストールできない(DB65AL自体、WHS2011の元であるWindows Server 2008 r2がサポート外)ので、先人のページを見てドライバinfを改造、先ほど使ったUSBメモリに改造inf+ドライバを突っ込んでインストールする。(cf: http://timeofmaterial.blog38.fc2.com/blog-entry-550.html )←たぶん、初心者はここが最難関と思う…
  7. これでインストールが何とかかんとか終了する。
  8. インストール完了後、デバイスマネージャからディスプレイドライバ、サウンドドライバ、チップセットinf等、諸々のツールを入れる。ここからは、DB65ALのドライバCDを使って、Vista/7 64bitのものを選べば可能。


というわけで、サーバOSの制約のきつさを嫌と言うほど味わいました。ここまで、自作に慣れっこな私でだいたい4時間。インストールに慣れてない方だと1日仕事になるのは間違いないと思います。ご注意を…。

ここまで来て、ワットモニターで消費電力を見たところ、アイドル状態で19.4W。20W切ってる…! まだPT2関連のソフトとかdiceとか入れてないのでこれから増えたりするとは思うけど、今のところこの上ない省電力サーバになりそうです!


(つづく)